バイクは革だ、と硬派に決めている人もいると思います。
今こそナイロンジャケットは主流でしたが、これほどいろいろな機能を持っていなかったころは、バイクと言えば革が定番でした。
「今はナイロンがあるから夏は暑そうだし、革じゃなくてもいいんじゃないの?」
と、はたから見れば思うかもしれません。しかし皮ジャケットもいろいろ選んでいけば夏でも着られるものはありますし、着心地はいいものを選ぶと自分の体に次第に馴染んでいくのでとてもいいものです。
今回はそんな革のジャケットの魅力と選び方やお勧めブランドについてお話しします。
Contents
革製ジャケットの4つのキホン
革製ジャケットは価格がピンからキリまであり、量販店で数千円から5万円以内で購入できるもの、オーダーメイドで10万円以上するものまで様々なものがあります。
- デザインを決める
- サイズを決める
- 購入するお店を決める
- 機能性を求める
どんなデザインのものがいい、というのが決まったら次はサイズや購入するお店の選び方を決めていきます。
基本その1.購入するデザインを決めよう
どんなジャケットがいいのか、安いものをファッション感覚で使い分けたいのか、高くても一生着られるものがいいのかなどの判断基準をもとに何を着たいのか考えましょう。
あとは自分が見た時にしっくりと来るものを選ぶだけです。
もう一つのバイク用ジャケットの選び方として、バイクに傷をつけてしまいそうな装飾がついていないことを確認しましょう。
デザインが良くてもジャラジャラとしたファスナーなどでタンクを傷つけてしまう場合があります。せっかく大事に扱っているバイクですし、ここは見落とさないようにするといいですね。
基本その2.購入するサイズを決めよう
革のジャケット全般に言えることですが、素材自体の防寒性が乏しく伸縮性も牛革の場合はそこまでありません。
つまり極端に言ってしまえばジャケットに実用性を求めるというのは非常に難しいことなんです。
また、レザージャケットの着用に向いている季節は春・秋ですね。冬に着る場合は防寒性を上げる必要がありますし、夏に着る場合は通常のものだと蒸れてしまうので大変でしょう。
もしも冬にジャンパーとして着る場合、中に着こんでしまうとどうしてもきつくなるので、サイズ的には、若干ゆとりのあるものが良いと思います。
基本その3.親しく付き合えるお店を探そう
その上で袖の長さや丈が大きくなるようなら、ショップにアジャスト作業ができるかどうかを聞くのが良いと思います。たいていは快く引き受けてくれます。
単純に価格だけで決めてしまうとサイズで都合がつかなくなったり、アフターフォローが悪い場合がありますので。
また、購入したお店とは別に、ボタンやファスナーなどが破損した場合修理に持ち込めるところを探しておくと心強いでしょう。
そしてなるべく販売者さんと相談して仲良くなっておくのも一つの手です。後々もう一着というときには、あなたに合った着方を教えてくれたりしますからね。
基本その4.機能性を求めよう
オシャレに着こなすジャケットでもライダージャケットである以上、その役目を果たすものでないと不便です。
それにはまず冬に裏地を多少保温性のあるものにしたり、夏には吸汗発散性に富んだものにしたり切り替えることができるものが良いですね。また襟元は必要な時に風を防げるような形状のものがいいでしょう。
また長時間バイクに乗ることを考えてジャケット自体があまり重くなく、乗車中の動きに支障がないものを選びましょう。
そうでないと、やはり無駄に疲れてしまいますからね。
革のジャケットで共通の困ることと言えば、急な雨による水濡れです。革に水分は大敵なんですよね。
日頃の手入れ次第では、勿論その後の手入れ如何にもよりますが撥水性が考えられたものを選ぶべきでしょう。後のお手入れも楽ですからね。
筆者お勧めの革ジャケット
ライダースジャケットとして実用的な選び方をすれば、量産品ですが機能性と品質・価格のバランスが優れているDEGNERがお勧めです。
(※画像クリックで拡大)
こちらは11WJ-3という商品ですね。
カラーはこのほかブラックがあります。このジャケットは羊の皮からできているので軽さ・丈夫さ、そしてしなやかさを兼ねそろえています。牛革よりも軽くしなやかな点は最大のポイントです。
背中や肩や肘部分には別売のプロテクターを入れるポケットがついているので、プロテクターを入れれば安全性が上がります。
袖もとの折り返しは「カフスフラップ」という風よけになっているので、これを立てることで、若干手元の保温に役立ちます。
また襟元のボアは脱着が可能で涼しさが欲しいときに便利です。
他のモデルですとファスナーが露出しているものがあり、バイクのタンクに傷をつけてしまう恐れがありますが、こちらはしっかりとファスナーは隠れるのでよく考えられています。
そしてDEGNERからはオススメをもう一点。
(※画像クリックで拡大)
参考元: https://www.webike.net/sd/22599149/
こちらはDEGNERのレザージャケットです。
こちらは襟元もしっかりしていますし、ファスナーもしっかり隠れます。裏地にはメッシュ生地が脱着でいるようになっていて、迷彩もオシャレです。
しかもこの裏地、猛烈にいかしてますね。これもやはり羊なので非常に軽くてしなやかです。
その上脱着式のプロテクターは標準装備!なかなかやってくれます。
(※画像クリックで拡大)
RSタイチのGMX アロー レザージャケットです。このジャケットは全体にパンチングメッシュ加工が施されており、走ったときには風の中にいることを実感します。
また背中にプロテクターが入り、後付けで胸部プロテクターをセットすることもできます。
更にタイチのレザーパンツとファスナーで繋がるようになっているのでMFJ主催のレースには使用できませんが、サーキット走行会程度なら思う存分にはせることができるでしょう。(※要主催者確認)
革のジャケットが選ばれる理由
夏は暑かろうと思って、ならば冬こそは革なのかと思っていろいろとレザージャケットを着ている人のサイトに潜り込んで調べていみると、意外に冬は寒いという意見が圧倒的に多いようです。
防寒性や導風性は近年のナイロンジャケットにかなわないものの、革のジャケットが選ばれる理由というのは何でしょうか?
レザージャケットが選ばれる理由はデザインもあると思いますが、安全性にもあると言えるでしょう。
ご承知のように、サーキット走行に欠かせないのが革のツナギです。
ナイロン素材でつなぎを造る試みは今までもいくつかのメーカーが取り組んでみましたが、結局革ほどの安全性は出ないために長くラインアップに残ることがありませんでした。
あえて革にこだわるその理由
ツナギでは、牛革のものを愛好している人も多くいますが、より軽量で強度のあるカンガルー革を好んで使う人も多くなっています。
しかしジャケットの場合は圧倒的に牛革が用いられます。
皮革製品というのは、単純に動物の皮を剥げばいいのではなくて、幾重にも工程があり、その一つ一つが丁寧に行われない限り良い仕上がりにはなりません。
またこれら多くの工程はいまだ機械化できず、人の勘に寄らなければなしえない部分が多いため必然的に高価になります。
多くの人は、ネットや雑誌の写真でちらっと見るくらいしかないかもしれませんが、それだけでは革のジャケットの良さというのは伝わらないものでしょう。
手に触れたときのずっしりとした存在感であるとか、革の香、そでを通したときのしっとりとした滑らかさ、こうしてお伝えしても文字でどこまでお伝えできるか自信もありません。
しかしそれは、革のジャケットに袖を通してみるとわかります。
その縫製の丁寧さであるとか、鞣しの美しさなどを実感したときに、そこに素材感と職人の手仕事の調和を感じるのです。
例えばそれは、安いデジタル時計と数十万円するような時計のような存在で、実用というよりもそうした仕事にほれ込んで買うというところでしょうか。
レザーならではの手間暇を楽しむ
革のジャケットは紫外線を浴びたり、排気ガスを浴びたり、油や排気ガスにまみれたりするので、他の皮革製品よりも過酷な条件にさらされていると言えます。
ですから他の衣類のように着たきりにするわけにはいかず、適切なメインテナンスが必要です。雨にぬれれば乾いた布で表面の水滴を払い、陰干しをしてミンクオイル等でいたわるようにケアをする。
こうして風合いを保ち長く大切に保持することで、ねんきも入りより一生自分の体になじんできます。
職人の仕事をいつくしみ、自分でもそれにこたえるようにケアをする。ジャケットもそれに応えてくれるというわけです。
用途に合わせて選ぶ
一口に革のジャケットと言ってもオシャレ着として着るのか、安全を最優先にしたいのかで2通りになると思います。
一つはレーシングスーツのセパレートとして着る場合です。
筆者もツナギを着ますが、一度だけツーリングに使ったことがあります。結果的にトイレでは、宇宙服から全裸になるくらい大変で、とにかく融通が利かずさすがに未だ2度目がありません。
なのでちょっとワインディングを楽しむ公道の場合はセパレートの革ジャヶットにレザーパンツの方がいいですからね。
こうしたレーシングタイプには革のツナギ同様、風を取り込むショルダーインテークやパンチングメッシュ加工がされているので、バイクを走らせてさえいれば、涼しくて快適です。
また前述のように皮革製品を愛好する意味で着こなす場合は、やはりそこだけに集中するのではなくて、トータルに着るものを合わせてオシャレにまとめるのが良いでしょう。
「ライダーってかっこいいじゃん、革じゃんすごいじゃん」といわれるか言われないかは別として、革って実際に見ると素敵だねと見た人に思ってもらえるといいですよね。
まとめ
実用的なことより、手仕事の美というかそれを風合いとして楽しむのは、奥深いことだと思います。
ナイロンジャケットが今街中でのファッションセンスを追求したモデルを相次いで出していますが、「革」という素材はこと魅せるということにおいて非常にインパクトがあります。
レザーは男性的なイメージも強くありますが、今回お勧めしたDEGNERには素敵な女性ものもありますし、羊の軽くて動きやすい素材は楽しんでいただけるのではないでしょうか。
最近はなんでも便利になって、お金さえ払えば人任せにでき、単に消費を楽しむような傾向があると思います。
しかしCD/DVDの時代にあえてLPを聞こうという人もいて、しっかりと手入れをしています。革ジャケットは手間暇をかけてプロセスを楽しむところが逆に受けているのですね。
筆者も大蔵省と相談して一着考えようかな?
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